インプラントのメンテナンス|方法・費用・頻度とセルフケアの行い方

大阪府枚方市にある【宮園歯科医院】では、インプラント治療に対応しています。
お口の状態でお悩みの方は、お気軽にご相談ください。
インプラント治療を受ける前に理解しておきたいのが、メンテナンスの重要性です。
メンテナンスを怠ると、インプラントが脱落したり、噛み合わせが悪化したりするおそれがあります。
ここでは、メンテナンスの重要性を解説し、方法・費用・頻度なども紹介しています。
お口の健康を維持したい方は、ぜひ確認してください。
目次
インプラントをメンテナンスする重要性(怠るリスク)

インプラントのメンテナンスを怠ると、次のようなリスクが高まります。
【リスク】
- インプラント周囲炎の発症
- 装具の不具合
- 噛み合わせの悪化
これらのリスクを防ぐためには、定期的なメンテナンスを受けることが重要です。
ここでは、上記のリスクについて詳しく解説します。
インプラント周囲炎の発症
何かしらの理由でメンテナンスを怠ると、インプラント周囲炎を発症するおそれがあります。
厚生労働省は、患者さん向け情報の中で次のように説明しています。
インプラント治療後のセルフケアが不良であったり、定期的に検診を受けていないと、インプラントの周囲に歯周病に類似した病気であるインプラント周囲炎を発症します。
引用:厚生労働省「あんしんしてインプラント治療を受けるために」
主な原因は、磨き残しによる歯垢の蓄積です。
丁寧に磨いているつもりでも、セルフケアだけでは汚れを十分に落としきれない場合があります。
具体的には、次の症状などが現れます。
| 進行段階 | 症状の例 |
| 軽度 | 歯茎が赤く腫れる、歯を磨くと血が出る |
| 中等度 | 歯茎が下がってインプラント体が露出する、インプラントが不安定になる |
| 重度 | インプラントがさらに不安定になり、やがては抜け落ちる |
放置すると、最終的にインプラントが脱落するおそれのある深刻な病気です。
また、インプラント周囲の骨が減少するため、進行すると再治療を受けるときに、骨移植など大掛かりな治療を必要とすることもあります。
こうしたリスクを理解したうえで、定期的にメンテナンスを受けることが重要です。
装具の不具合
メンテナンスを怠ると、装置の不具合が生じやすくなります。
トラブルが発生していても、必要な対応を行えなくなるためです。
不具合を引き起こす代表的な原因として、歯ぎしりや食いしばりが挙げられます。
就寝中などに無意識で行うケースが多いため、本人も気づいていないことがあります。
歯ぎしりや食いしばりは、インプラントと相性が悪いと考えられています。
インプラントには、歯根と歯槽骨の間でクッションのような役割を果たす歯根膜がないためです。
歯ぎしりや食いしばりの力が、顎の骨やインプラントに直接かかります。
その結果、以下のリスクが高まります。
【リスク】
- 骨の吸収が進んでインプラントが不安定になる
- 歯茎が下がってインプラント体が露出する
- インプラントの固定が緩む
- インプラントが破損する
また、インプラント体が露出すると、インプラント周囲炎のリスクも高まります。
具体的な影響は症例によって異なりますが、インプラントの脱落や破損を招くおそれもあります。
これらのリスクがあることも、理解しておかなければなりません。
噛み合わせの悪化
インプラント治療後に、噛み合わせが悪くなることも考えられます。
噛み合わせの悪化は、以下のトラブルなどを引き起こします。
【想定される影響】
- 虫歯や歯周病(インプラント周囲炎)のリスクが高まる
- 顎関節症を発症しやすくなる
- 頭痛や肩こりに悩まされやすくなる
これらの他にも、さまざまな影響が現れます。
噛み合わせが悪くなる主な原因は、装置の不具合や日常生活の癖です。
具体的には、以下の癖などが原因になり得ます。
【癖の例】
- いつも頬杖をついている
- 舌で歯に圧力をかけている
- 歯ぎしりや食いしばりがある
いずれも無意識に行っているケースが多い傾向にあります。
メンテナンスを怠ると、お口の異常に気づけないため適切な対応を行えません。
インプラントの寿命が短くなったり、全身に悪影響を及ぼしたりするおそれがあるため、注意が必要です。
関連記事:インプラント手術後の食事はOK?おすすめの食事と避けるべき食事
インプラントのメンテナンス方法

歯科医院で受けるメンテナンスの主な内容は以下のとおりです。
【メンテナンスの内容】
- 口腔内のチェック
- レントゲン検査
- クリーニング
- ブラッシング指導
ここでは、これらのメンテナンスについて詳しく解説します。
口腔内のチェック
歯科医院でのメンテナンスでは、お口の状態を確認します。
トラブルやその予兆を早期に発見するためです。具体的なチェックの内容は以下のとおりです。
【チェックのポイント】
- 磨き残しの有無(プラークコントロールの状態)
- インプラント周囲粘膜の状態
- 歯周ポケットの深さ
- インプラント体の動揺度
- 噛み合わせの確認
- 上部構造のチェック(スクリューの緩み、破損など)
- 虫歯や歯周病の有無
お口の健康を維持するために、プラークコントロールの状態を確認します。
適切に行えていない場合、インプラント周囲炎のリスクが高まるためです。
また、トラブルの有無や所在を調べる目的で、インプラント体の動揺度や噛み合せなども確認します。
多角的な検査を行うことで、定期的なメンテナンスによって前述のリスクを予防しやすくなります。
レントゲン検査
メンテナンスでは、定期的にレントゲン検査も行います。
顎の骨の状態を継続的に確認するためです。この検査により、治療経過の良否やインプラント周囲炎の有無などを把握できます。
他の歯の健康状態を同時にチェックできる点もポイントです。
必要があれば、CT検査などを併用することもあります。
ちなみに、メンテナンスのたびに、レントゲン検査を行うわけではありません。
基本的には、年に1回程度の間隔で実施されます。
また、被ばく量は自然放射線1年分に比べるとわずかです。
歯科治療におけるレントゲン検査は、安全性が高いと考えられています。
クリーニング
歯科医院のメンテナンスでは、クリーニング(PMTC)も実施します。
歯石や歯垢などを除去するためです。
これらは、インプラント周囲炎や虫歯、歯周病を引き起こす要因となります。
ただし、セルフケアですべてを取り除けるわけではありません。
したがって、歯科医院で定期的にメンテナンスを受ける必要があるのです。
PMTCは、専門の教育を受けた歯科医師や歯科衛生士が、専用の機器や器具を用いて歯を徹底的に清掃する処置です。
具体的には、以下の効果などを期待できます。
【期待できる効果】
- 歯石・歯垢の除去
- バイオフィルムの除去
- 着色汚れの除去
バイオフィルムとは、口腔内に長時間とどまった歯垢が膜状に変化したものです。
通常の歯磨きでは除去が難しいとされています。
ブラッシング指導
メンテナンスでは、ブラッシング指導も行います。
毎日のケアを、患者さんご本人が行うためです。
ブラッシングは、お口の健康を維持するための基本的なケアといえるでしょう。
ただし、ブラッシングを正しく行えている方は多くありません。
専門家から教わる機会がないためです。一人ひとりに磨き方の癖があるため、磨き残しが生じやすい部位が異なります。
メンテナンスでは、歯垢の染め出し試験などで磨き残しを調べてから、正しいブラッシングの方法を歯科衛生士が指導します。
基本を守りながら、一人ひとりに合わせた指導を行う点がポイントです。
また、デンタルフロスや歯間ブラシの使い方、歯ブラシの選び方などの指導も受けられます。
セルフケアの質を大幅に向上させることが期待できます。
インプラントのメンテナンス費用
メンテナンス費用は、1回あたり5,000~10,000円程度となります。
自由診療であるため、具体的な金額は歯科医院で異なります。
また、保険は適用できません(全額自己負担)。
インプラントを維持している間は、継続的に費用が発生するため、治療を受ける前に確認しておくことが重要です。
金銭的な理由などで、メンテナンスを受けられないと、インプラントの寿命は短くなる傾向があります。
ちなみに、かかった費用は、原則として医療費控除の対象です。
医療費控除とは、1年間に支払った医療費が所定の金額を超えた場合に、確定申告によって超過分を所得から控除できる制度です。
公的制度を活用して、経済的な負担を抑えられる可能性があります。
インプラントをメンテナンスする頻度
一般的なメンテナンスの頻度は2~6カ月に1回です。
年に2~6回程度が目安とされています。以上の通院頻度をもとに、費用を算出すると年間のメンテナンス費用は10,000~60,000円です。
具体的な通院頻度は、時期やお口の状態で異なります。
基本的な目安は以下のとおりです。
| メンテナンスの頻度 | 対象 |
| 2~3カ月に1回 |
治療を終えてから1年以内の方< インプラント周囲炎などのリスクが高い方 |
| 4~6カ月に1回 | 治療を終えてから1年以上経過している方
セルフケアでお口の健康を維持できている方 |
トラブルが起こりにくい方ほど、メンテナンスの頻度は低くなります。
金銭的な負担を抑えるためには、セルフケアを徹底することが重要です。
インプラントを長持ちさせるためのセルフケア
インプラントを長期的に使用するためには、日々のセルフケアを継続することが欠かせません。
主な取り組みとして以下のものが挙げられます。
【セルフケアの例】
- ブラッシング
- 研磨剤の含まれていない歯磨き粉
- デンタルフロス
- デンタルリンス・マウスウォッシュ
- 禁煙
ここでは、これらのセルフケアについて解説します。
ブラッシング
基本的なセルフケアの一つに、ブラッシングがあります。
インプラント周囲に歯垢が溜まりやすいため、ブラッシングを正しく、丁寧に行うことが大切です。
参考に、意識したいポイントを紹介します。
【ポイント】
- やわらかめの歯ブラシを使用する
- 歯と歯茎の境目にブラシの先端をあてて優しく磨く
- タフトブラシを併用する
インプラント周囲の歯茎に負担をかけないため、やわらかめの歯ブラシを使用します。
歯と歯茎の境目にブラシの先端を当てて小刻みに動かすことが大切です。
ヘッドが小さいタフトブラシを併用すると、歯と歯や歯と歯茎の間の汚れを効率よく落とせます。
正しいブラッシングの方法は、メンテナンスのブラッシング指導で学べます。
研磨剤の含まれていない歯磨き粉
研磨剤を含まない、あるいはほとんど含まない歯磨き粉を使用することもブラッシングのポイントです。
研磨剤入りの歯磨き粉を使用すると、インプラントを傷つけてしまうおそれがあります。
また、研磨剤が人工歯と歯茎の間に入り込んで炎症を起こすことも考えられます。
ブラッシングに使用する歯磨き粉の選択にも注意が必要です。
選び方がわからない場合は、歯科医院が推奨している製品をおすすめします。
もちろん、市販の歯磨き粉を使うこともできます。
市販の歯磨き粉を使用する場合は、ケイ素や炭酸カルシウムなど、粒子の粗い研磨剤を避けることが望ましいです。
デンタルフロス
ブラッシングを丁寧に行っても、歯間部の歯垢は6割程度しか落とせません。
したがって、他の方法も組み合わせることが大切です。
具体的な方法として以下の2つが挙げられます。
【併用したい方法】
- デンタルフロス
- 歯間ブラシ
デンタルフロスは糸状の清掃具、歯間ブラシはブラシ状の清掃具です。
前者は隙間が狭い歯間、後者は隙間が広い歯間の清掃に向いています。
デンタルフロスと歯間ブラシには、以下の種類があります。
| 区分 | 種類 | 特徴 |
| デンタルフロス | ホルダー型 | 初めてでも扱いやすい。下の前歯に適したF字型、上の前歯と奥歯に適したY字型がある |
| ロール型 | 慣れるまで扱いにくい。すべての歯に使用できるうえ、使用する長さを調整できる点が魅力 | |
| 歯間ブラシ | L字型 | 前歯、奥歯とも磨きやすい。歯垢を取り除きやすいナイロン製のもの、初めてでも扱いやすいゴム製のものがある |
| I字型 | 前歯の使用に適している。初めてでも扱いやすい |
隙間の広さや使いやすさを考えて選択することが大切です。
デンタルリンス・マウスウォッシュ
デンタルリンスやマウスウォッシュも、積極的に取り入れたいセルフケアの一つです。
両者は特徴が異なります。
| 種類 | 特徴 |
| デンタルリンス | 液状の歯磨き剤。別名は液体歯磨き。虫歯や歯周病の予防を期待できるものもある |
| マウスウォッシュ | 口腔内の洗浄や口臭予防などを主な目的とする。別名は洗口液 |
デンタルリンスは、使用中または使用後にブラッシングが必要です。
マウスウォッシュは、ブラッシングを必要としません。
ただし、これだけで、口腔内の汚れを落とせるわけではありません。
いずれも補助的なセルフケアであり、毎日のブラッシングは欠かせないといえるでしょう。
禁煙
タバコを吸っている方にとっては、禁煙も重要なセルフケアといえます。
喫煙とインプラント周囲炎の関わりが指摘されているためです。
また、喫煙者は術後に治癒不全が起こりやすく、インプラント体の生着率も非喫煙者より低いと考えられています。
これらの理由から、インプラント治療の前に禁煙指導が行われています。
禁煙が難しい場合は、ニコチンパッチなどの禁煙補助薬を利用する方法もあります。
イライラ、頭痛などのニコチン離脱症状を和らげられます。
歯科医院では、処方箋なしで購入できる禁煙補助薬(OTC薬)を用いた治療を受けられます。
インプラントのメンテナンスに関するよくある質問
ここからは、インプラントのメンテナンスに関するよくある質問に回答します。
定期的なメンテナンスは大変ではないですか?
メンテナンスには、一定の負担がかかります。毎日のセルフケアに加え、歯科医院を定期的に受診しなければなりません。
ただし、受診の頻度は2~6カ月に1回程度です。適切に管理できていれば、年に2回程度の通院で済みます。
ストレスを感じるほどの大きな負担が生じることはほとんどありません。
インプラントの寿命はどれくらいですか?
厚生労働省が発表している資料によると、インプラントの10~15年の累積生存率は上顎で約90%、下顎で約94%です。問題がなく20年以上にわたり使用できるケースも多く報告されています。
ただし、個々の寿命は、日々のメンテナンスなどから影響を受けます。
1日でも長く使い続けたい場合は、適切なメンテナンスを実施することが大切です。
どんな異常が見られたら受診したほうがよいですか?
気になる点がある方は、定期メンテナンスのタイミングを問わず歯科医院で相談しましょう。
受診が勧められる主なトラブルは以下のとおりです。
【トラブルの例】
- ブラッシング時の出血が続いている
- 歯茎が赤くなっている
- 歯茎が腫れている
- 歯が伸びたように見える(歯茎が下がっている)
- 噛むと違和感がある
- インプラントが不安定になっている
これらの症状が見られる場合は、早めに歯科医院を受診することが大切です。
手術後の保証期間はありますか?
原則として、インプラント治療には術後の保証が付いています。
歯科医院やメーカーにより保証期間や保証内容は異なります。
一般的な保証期間は5~10年といえるでしょう。
この期間内に、通常の使用で不具合が生じると無償または低額な料金で再治療を受けられます。
ただし、定期メンテナンスを受診している、歯科医師の指示を守っているなどの条件を設けているケースがほとんどです。
保証の有無に加えて、内容まで確認しておくことが重要です。
引越しで転院してもメンテナンスできますか?
転居先に歯科医院の系列医院がある場合は、継続してメンテナンスを受けられます。
系列医院がない場合は、転居先でメンテナンスを受けられる歯科医院を探さなければなりません。
転院前・転院後の歯科医院に伝える情報は以下のとおりです。
【歯科医院に伝える情報】
- 歯科医院の名称・住所・電話番号
- インプラントの術式
- インプラントメーカー
これらの情報をもとに、歯科医院間で情報共有が行われます。
手続きをスムーズに進めたい方は、受診中の歯科医院に転居することを報告して相談するとよいでしょう。
インプラントのメンテナンスは重要な取り組み
ここでは、インプラントのメンテナンスについて解説しました。
実際の取り組みでは、口腔内のチェックやクリーニング、ブラッシング指導などを行います。
1回あたりの費用は5,000~10,000円程度、受診の頻度は2~6カ月に1回程度です。
定期的なメンテナンスを怠ると、インプラント周囲炎のリスクが高まったり、噛み合わせが悪くなったりするおそれがあります。
インプラントの寿命にも影響するため、歯科医師の指示に従って継続的にメンテナンスを受けることが重要です。
院長 宮園 智之 - Tomoyuki Miyazono
枚方市の歯医者「宮園歯科医院」では、患者様に寄り添って症状やお悩みをお聞きし、ご納得いただいたうえで治療を進めることを重視しています。当院が常に心掛けているのは、患者様にとって安心できる歯科治療を行うことです。 こちらでは、当院の診療理念と院長についてご紹介しています。当院での治療をご検討中の方は、まずは当院の歯科治療に対する考え方をご覧ください。当院は、皆様が安心して通える歯科医院を目指して日々力を尽くしています。
経歴
- 大阪府枚方市出身
- 2006年 高槻高等学校 卒業
- 2013年 朝日大学 歯学部 卒業
- 2014年 朝日大学病院 勤務
- 2015年 大阪府内医療法人 勤務
- 2017年 大阪府内医療法人 院長 理事就任
- 2020年 宮園歯科医院 勤務
- 2022年 宮園歯科医院 院長就任
所属・学会
- JIADS エンドコース
- JIADS 補綴コース
- JIADS デンチャーコース
- JIADS ペリオコース
- JIADS 再生医療コース
- 大森塾 5期
- 日本臨床歯周病学会 会員
- 日本口腔インプラント学会・JACID
