インプラント治療のための骨造成とは?種類や費用などを解説

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インプラント治療のための骨造成とは?種類や費用などを解説

公開日 2026.08.26 更新日 2026.08.31

インプラント治療を受けるにあたって、顎の骨が痩せていると「骨造成」という外科手術を提案されることがあります。
これは認知度があまり高くない施術であるため、「どのような施術なのか」「費用はどれくらいかかるのか」と疑問に思う方も多いでしょう。

そこで本記事では、骨造成の概要やメリット・デメリット、治療にかかる費用の目安などを解説します。

骨造成とは

インプラント治療における骨造成とは、自家骨(患者様自身の骨)や骨補填材によって顎の骨を補強する外科手術のことです。

インプラント治療では、顎の骨に人工歯根を埋め込んで固定し、人工歯の土台を作る必要があります。
しかし、顎の骨の量や厚みが不足していると、インプラントを適切な位置に埋入したり、十分な初期固定を得たりすることが難しい場合があります。

骨造成は、顎の骨を補強してこうしたリスクを低減するための施術というわけです。

顎の骨が痩せてしまう主な原因

ここでは、顎の骨が痩せてしまう主な3つの原因を紹介します。
インプラント治療を検討している方は、思い当たる項目がないかどうかをご確認ください。

顎の骨が痩せてしまう主な原因

  • 歯周病の放置
  • 歯を失ったあとの骨吸収
  • 入れ歯による圧迫

歯周病の放置

歯周病を放置すると、歯を支えている歯槽骨(しそうこつ)が徐々に溶けていき、顎の骨が痩せてしまうことがあります。
それに伴い、歯がぐらついたり抜け落ちたりするおそれもあるため、歯周病が重症化する前に適切な治療を受けましょう。

なお、歯を失うほど歯周病が進行している場合は、歯を支える歯槽骨が大きく失われていることがあります。
こうしたケースでは、インプラント治療の前に骨造成を提案される可能性が高いといえます。

歯を失ったあとの骨吸収

歯を失ったあとに起こる「骨吸収」も、顎の骨が痩せてしまう原因の一つです。

何らかの理由で歯を失うと、その周辺の歯槽骨に咀嚼(そしゃく)時の刺激が伝わりにくくなります。
そうした状態が続くと、骨吸収とよばれる、骨が減少する現象が起こって、顎の骨が痩せてしまいます。

骨吸収が進行するスピードの目安は、以下の通りです。

骨吸収の進行スピードの目安

期間 顎の骨の状態
歯が抜けた直後 骨吸収が始まる
歯が抜けてから3〜6か月後 骨の幅が狭くなってくる
歯が抜けてから1年後 骨の高さがなくなってくる
歯が抜けてから数年後 骨密度が低下し、骨造成なしでのインプラント治療が難しくなる

歯が抜けた直後から骨吸収は始まるため、インプラント治療を検討している場合は、できるだけ早めに医師へ相談することが大切です。

入れ歯による圧迫

顎の骨が痩せてしまう原因としては、合わない入れ歯を長期間使用することも挙げられます。

サイズや形状が合っていない入れ歯を使い続けると、顎の骨に過度な負担がかかります。
合わない入れ歯によって粘膜や顎の骨に過度な負担がかかる状態が続くと、口腔内の状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
なお、使い始めたときは合っていた入れ歯でも、摩耗や顎の骨・歯茎の変化などによって徐々に適合しなくなることがあります。
違和感を覚えた場合は使用を控え、すぐにクリニックで調整してもらいましょう。

骨造成の種類

骨造成には、さまざまな種類があります。
以下で代表的な4つの骨造成について解説しますので、それぞれ確認していきましょう。

骨造成の主な種類

  • GBR(骨誘導再生法)
  • サイナスリフト
  • ソケットリフト
  • ソケットプリザーベーション

GBR(骨誘導再生法)

GBR(骨誘導再生法)は、人工歯根を埋め込む部分の、骨の幅や高さが不足している場合に行われる施術です。
骨が不足している部分に自家骨や骨補填材などを補填し、骨の再生を促して人工歯根の土台を作ります。

この施術は、インプラント治療の前に行われる場合と、インプラント治療と同時に行われる場合があります。

サイナスリフト

サイナスリフトは、主に上顎の奥歯部分の骨が痩せている場合に行われる施術です。

この施術では、始めに歯茎を切開して上顎の骨の側面に穴を開けます。
その後、上顎洞(じょうがくどう)とよばれる副鼻腔の底部に骨補填材を埋入して骨造成を図ります。
広い範囲の骨を補強できるため、複数本の人工歯根を埋め込む場合に用いられることも少なくありません。

ソケットリフト

ソケットリフトも、サイナスリフトと同様に、上顎の奥歯部分の骨が痩せている場合に行われる施術です。
人工歯根を埋め込むために開けた穴に骨補填材を入れ、上顎洞の粘膜を押し上げることで、骨の厚みを確保します。
サイナスリフトと比べて歯茎を切開する範囲が小さいため、身体への負担が少ないのが特徴です。

ただし、上顎洞までの骨の高さが十分でない場合など、骨の状態によってはソケットリフトが適さないことがあります。

ソケットプリザーベーション

ソケットプリザーベーションは、抜歯後に生じる歯槽骨の吸収や形態変化をできるだけ抑えるための施術です。
抜歯した部分に自家骨や骨補填材などを詰めることで、骨の吸収を抑え、歯槽骨の形態をできるだけ維持します。

この施術を抜歯時または抜歯後の適切なタイミングで行うことで、顎の骨が痩せるリスクを低減できるので、インプラント治療をスムーズに進められる可能性が高まります。

骨造成のメリット

次に、骨造成を受ける3つのメリットを紹介します。

骨造成のメリット

  • インプラント治療に必要な骨量を補える
  • インプラントの安定感を高められる可能性がある
  • 歯茎のバランスが整う

インプラント治療に必要な骨量を補える

骨造成の大きなメリットは、インプラントを適切な位置に埋入するために必要な骨の幅や高さを補えることです。

顎の骨の量が不足していると、インプラントを十分に支えられず、治療が難しい場合があります。
その点、骨造成によって不足している骨を補うことで、インプラントを安定して支えられる環境を整え、治療の適応範囲を広げられる場合があります。

インプラントの安定感を高められる可能性がある

骨造成は、インプラントの安定性を高めるうえでも重要な施術といえます。
骨造成によって顎の骨を補強することで、噛み合わせに適した理想的な位置に人工歯根を埋入できる可能性が高まるためです。
適切な位置に人工歯根を埋入すれば、人工歯がずれたり抜け落ちたりするリスクを減らせるだけでなく、噛み合わせや見た目のバランスを整えやすくなります。

歯茎のバランスが整う

歯茎のバランスを整える効果が期待できることも、骨造成を受けるメリットの一つです。

顎の骨が痩せていると、その上を覆う歯茎が下がり、周囲の歯とのバランスが悪くなることがあります。
前歯にこのような症状が表れた場合は、「人目が気になって食事や会話を楽しめない……」と、気分が落ち込んでしまうかもしれません。

骨造成によって顎の骨の幅や高さを確保すれば、歯茎の形態を整えやすくなる場合があります。

骨造成のデメリット

続いて、骨造成の3つのデメリットをお伝えします。
「思っていたような施術ではなかった……」と後悔しないよう、それぞれご確認ください。

骨造成のデメリット

  • 治療期間が長引く
  • 痛みや腫れが伴う場合がある
  • 費用がかかる

治療期間が長引く

インプラント治療の前に骨造成を受ける場合は、インプラント治療のみを受ける場合と比べて治療期間が長くなる傾向にあります。
骨造成を受けたあとは、埋め込んだ自家骨や骨補填材が周囲の骨となじみ、インプラントを支えられる状態になるまで3~6か月程度待つ必要があるためです。
骨造成を受ける方の年齢や顎の骨の状態によっては、治療期間がさらに長引くことも考えられます。

インプラント治療を受ける前に、骨造成の治療期間を含めた全体のスケジュールを確認しておきましょう。

痛みや腫れが伴う場合がある

骨造成は外科手術であるため、施術後に痛みや腫れ、内出血などが生じる場合があります。
こうした症状が強い場合や、長期間続く場合は、施術を受けたクリニックに相談してください。

費用がかかる

骨造成を受ける場合は、通常のインプラント治療費とは別に施術費用がかかります。
骨造成にかかる費用の目安は以下の通りです。

骨造成にかかる費用の目安

GBR(骨誘導再生法) 55,000~275,000円程度
サイナスリフト 275,000円程度
ソケットリフト 55,000円程度
ソケットプリザーベーション 30,000円程度

「インプラント治療を受けたいけれど、費用面が心配……」という場合は、デンタルローンでの支払いに対応しているクリニックを選ぶのも一つの手です。

骨造成を伴うインプラント治療の流れ

最後に、骨造成を伴うインプラント治療の基本的な流れを紹介します。
インプラント治療を検討する際の参考にしてください。

骨造成を伴うインプラント治療の流れ

  • 精密検査
  • カウンセリング
  • 治療計画の立案
  • 骨造成
  • 人工歯根の埋入
  • 治癒期間
  • 人工歯の製作・装着
  • メンテナンス

精密検査

まずは、インプラント治療が可能かどうかを確認するために精密検査を行います。
歯科用CTでの撮影や口腔内診査などを行い、歯や歯茎、顎の骨などの状態を詳しく検査します。

カウンセリング

精密検査が終わったら、その結果をもとにカウンセリングを行います。
インプラント治療の概要やメリット・デメリットなどの説明を受けたうえで、治療に関する不安や疑問があれば解消しておきましょう。

治療計画の立案

精密検査とカウンセリングの内容を踏まえて、具体的な治療計画を立てます。
人工歯根を埋め込む位置や本数、骨造成の種類や実施するタイミングなどを明確にし、患者様が納得したうえで実際の施術に移ります。

骨造成

人工歯根を埋め込む前に、骨造成によって顎の骨を補強します。
GBR(骨誘導再生法)やサイナスリフトなど、口腔内の状態に適した方法で骨造成を行い、骨が十分に形成されてからインプラント治療を開始します。

なお、場合によっては骨造成とインプラント治療を同時に受けられることもあります。

人工歯根の埋入

顎の骨が人工歯根をしっかりと支えられる状態になったら、インプラント治療を行います。
局所麻酔を施したうえで歯茎を切開し、顎の骨に穴を開けて人工歯根を埋め込むという流れが一般的です。

ただし、クリニックによっては歯茎を大きく切開・剥離せずに人工歯根を埋入する「フラップレス」という施術に対応している場合があるため、事前に確認しておくとよいでしょう。

治癒期間

人工歯根を埋入したら、顎の骨と結合して安定するまで治癒期間を設けます。
治癒期間の目安は、上顎の場合は4~6か月、下顎の場合は2~3か月程度です。

治癒期間中は仮歯を使用できるため、見た目や日常生活への影響を抑えられる場合があります。

人工歯の製作・装着

人工歯根と顎の骨が十分に結合して安定したことが確認できたら、人工歯を製作します。
その後、人工歯根と人工歯の連結部分である「アバットメント」を装着し、人工歯を取り付けます。

メンテナンス

人工歯を装着したあとは、継続的なメンテナンスが必要です。
メンテナンスを行わなければ、インプラント周囲の組織に炎症が起こる「インプラント周囲炎」のリスクが高まります。

自宅で口内環境を整えるケアを行うことはもちろん、クリニックに通って定期健診を受けましょう。

まとめ:骨造成は、顎の骨を補強するための外科手術

インプラント治療における骨造成とは、自家骨や骨補填材によって顎の骨を補強する外科手術のことです。
顎の骨に十分な強度がある場合は不要ですが、骨が痩せてしまっている場合は、骨造成を提案されることがあります。
メリット・デメリットや費用などを踏まえつつ、歯科医師とよく話し合ったうえで、骨造成を受けるかどうかを判断しましょう。

宮園歯科医院は、大阪府枚方市で、インプラント治療をはじめとするさまざまな施術を提供しています。
土曜の診療やデンタルローンなどにも対応していますので、歯に関するお悩みがあれば、ぜひお気軽にご相談ください。

枚方市の歯医者なら宮園歯科医院
枚方市のインプラントなら宮園歯科医院

監修者情報

院長 宮園 智之 - Tomoyuki Miyazono

枚方市の歯医者「宮園歯科医院」では、患者様に寄り添って症状やお悩みをお聞きし、ご納得いただいたうえで治療を進めることを重視しています。当院が常に心掛けているのは、患者様にとって安心できる歯科治療を行うことです。 こちらでは、当院の診療理念と院長についてご紹介しています。当院での治療をご検討中の方は、まずは当院の歯科治療に対する考え方をご覧ください。当院は、皆様が安心して通える歯科医院を目指して日々力を尽くしています。

経歴

  • 大阪府枚方市出身
  • 2006年 高槻高等学校 卒業
  • 2013年 朝日大学 歯学部 卒業
  • 2014年 朝日大学病院 勤務
  • 2015年 大阪府内医療法人 勤務
  • 2017年 大阪府内医療法人 院長 理事就任
  • 2020年 宮園歯科医院 勤務
  • 2022年 宮園歯科医院 院長就任

所属・学会

  • JIADS エンドコース
  • JIADS 補綴コース
  • JIADS デンチャーコース
  • JIADS ペリオコース
  • JIADS 再生医療コース
  • 大森塾 5期
  • 日本臨床歯周病学会 会員
  • 日本口腔インプラント学会・JACID